Pale green
六月十五日。従業員だった友恵ちゃんの二周忌にあたる。僕もいい年なので色々な死に向かい合ってきたが、この時はさすがに僕自身、心のバランスを崩しそうになった。それでも何とか持ちこたえて彼女を追悼する側の一人になっている。
友恵ちゃんは所謂「良い子」ではなかった。我儘な所も有った。でも一生懸命生きていてお客さんにも愛されていた。僕自身もその危なかしいところが、気になって実の娘のように可愛がっていた。彼女と知り合ってから、町で見かける今風のアッパラパーな女の子を見かけても、拒絶反応はなくなった。友恵ちゃんの代わりに僕自身が成長しなければならない。
思い出の品は多くは残っていない。
写真が数枚。最高の笑顔でピースマークを出している。後ろにはpale greenの海が広がっている。
一対の鍋つかみ。彼女が作ってくれた。もう焼け焦げてぼろぼろになっているが、捨てられない。
冷凍庫には二年前のレーズンバター。時々手作りのパンやらレーズンバターlazyで売っていた。とうに賞味期限は切れているが、時々引っ張り出してきて食べている。
日本がカメルーン相手に戦い終わった頃、僕は彼女のレクイエムとして作った「pale green」という曲を弾いて店を後にした。
15 Jun, 2010 | yoshida