LazyBird Diary

マーク・マーフィーの法則

先週最初のお客さんはマークだった。
完璧な開店準備をして帝国ホテルのドアーボーイ如く凛としてお客さんを待っていても全く暇だった月曜日から風邪で体調が悪く早仕舞いする予定で行くと客足が途絶えなかった土曜日まで、こちらの思惑とは全く関係なく事は進んでいく。
東京物語のようにひっそりと始まった映画がマルクス兄弟のドタバタ喜劇で終わったような一週間であった。
傘を持っていくと雨は降らず、持っていない日に限ってどしゃ降りになる。
それは金持には融資を勧めるが資金難に喘ぐ中小企業には豚の貯金箱の中身まで確認して貸しはがしにかかる冷酷な金融会社に似ている。
神は仏教徒の僕にも試練を与える。

先週はライブを二本やり、小説を四冊読み、いくつかの実務をこなし、四人とjazz幼稚園の練習をやりその合間に歯医者に一回、実家に二回,国会は散会、死海の近くで生産されるクロレラは健康にいいという誤解・・・・・
鈴木のアルトのように小回りの効いた一週間では有った。
一本目のライブは高橋知己quartet。奇をてらうことなくtsを吹ききる姿にはjazzの王道を感じた。デビューしたての頃の高橋知己を聴いたことがある。新宿pit innの昼の部だった。30年以上前の事になるが,恐ろしい形相でネイマを吹いていた。ドアーを開けたときの熱気は今でも忘れられない。僕もある種のやりきれなさを熱狂的なjazzを聴く事によって昇華させていた時期だ。高橋知己はもっと深い表現力を身につけ、僕もそういうことがわかる年になった。
もう一本のライブはmojo house。ブルース系シンガ-ソンググライターの二人組。以前相方のバイオリンが良かったのでお願いした。グループ名がもう筋金入りだ。シャブの為なら女房も殺す人種がつけるグループ名だ。最近はブルースの原曲をやることは無くなったらしいがオリジナル曲の根底に流れるのはやはりデルタブルースだと思った。飾り気のない言葉で生活観を歌う。お洒落なセリフは出てこない。放送禁止用語は時々出てくる。所謂日雇人夫系の歌だったが面白かった。二人ともギターを小手先で弾いていない。心に届く音を体で弾いていた。打ち上げでお客さんが持ってきたサイレントヴァイオリンを色々なエフエクターで弾いてくれた。ブルース系のミュージシャンでハンガリアン舞曲第5番を弾ける人は余りいない。ひょっとするとブリジストン財閥の血を引いているのかもしれない。
小説四冊には訳がある。村上春樹の1984vol3を買いに行った。どこの本屋も品切れだ。こちらは日本語絶ちして一気に読む気満々だったので、勝負下着を身につけて出かけたデイトをすっぽかされたOLのように後に引けなくなっている。ええい!男なら誰でもいい。ということでエンターテイメント系ベストセラーを三冊買ってしまった。確かにこういう本は一気に読めますね。その後1984が某書店に平積みになっているとのメールを貰い慌てて買いに行ったのは言うまでも無い。それが4冊目。週末、酒と風邪薬の相乗効果で半分ラリっているような体調で読む1984はポップでシュールでデイープだった。

今週のこぼれ話
スーパーに買い物に行った時の話だ。僕は味噌を探していた。後ろはカレーのコーナーだった。年配の男性がメモを見ながらカレールーを探していた。「グリコの二段熟カレー」、グリコの二段熟カレー」とマントラを唱えながら商品を探していた。なかなか見つからないらしい。そこに女性従業員が通りかかった。その男性は聞いた。「すいません、グリコの二段熟女カレーはどこにありますか」その女性の表情が一瞬曇ったが、「こちらにございます」と案内し息を吐いて腹をへこませてバックヤードに向かった。聞いた人が悪かった。三段腹の熟女だった。





27 Apr, 2010 | yoshida



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